【旧】モノクローム
青木くんはその様子を眺めくすくすと笑い、私に視線を向ける。
「それに碧。決めるのは白瀬さん、だろ?」
関係ないのはお前だろ、そう碧に言い付けて。
で? と、目で返事を促す青木くん。
碧の様子がおかしいのは、私だから、だろうか?
でも、彼と私は好き同士でも付き合ってるわけでもない。
そう。
この曖昧な関係がいけないの。
私は強引に口角を上げた。
「いいよ」
碧は、何も言わなかった。
「そ。じゃあ、7時に正門で待ってるから」
そう言って青木くんは廊下から去っていった。
妙な沈黙に包まれる。
私たちは恋人みたいな関係ではないのに。
私も気まずさに紛れて歩き始めたとき。