【旧】モノクローム
 

「夜待ってる。あの花畑で」


そう彼が言った言葉に私は返す言葉もなく、そのまま逃げるようにその場を去った。




あの場所を去った後、私はトイレに駆け込んだ。


頭の中がめちゃくちゃにされて、自分でも何がしたいのかわからなかった。


とっくに私は壊れているのに、それもわかっているのに。


また、思い知らされる。私は壊れてる。


――




「本当に来たんだ」


7時少し過ぎたところで青木くんはやって来た。


始めて会ったときと変わらない、妙に落ち着いた口調。


さっきのときとは態度も口調も少し違う。


「来て」


青木くんはそう促し駐車場に向かって歩き出した。


私もそれに着いていき、一台の黒い車に乗り込む。


「新車?」


見た目から内装まであまり汚れていないし、そこそこに高そうな作りだった。


「まあ、そうだけど」

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