僕の人生狂いました。
「その物音ってさぁ、母さんが段ボール落とした音じゃない?」
「あぇ?」
「あっちにいるから聞いてみな」

父さんが指したのは向かいの部屋。
あそこ寒いんだよな。

とりあえず行ってみよ。

「母さん!」
「ん?」
「ここでさっきすごい音したよね!?」
「うん。押し入れの整理してたら、重い段ボール落としちまってな」
「じゃあ母さんが原因!?」
「何の原因だよ」
「何でもない……」

どうせ理由言ったら馬鹿にされるんだから…。

「泣くなって」
「だっでぇ~」
「でも幽霊じゃなくてよかったな」
「(コクン…)」
「そういう事だから、いい加減泣きやみなさい」

僕はあの後、しばらく本気で泣いてた。

━10分後━

ようやっと泣きやんだ僕は、怠い体を引きずるように部屋に戻った。

「うぅ~、母さんの馬鹿あぁ…」

高1にもなって泣くなんてカッコ悪…。

しかも泣いた理由が幽霊って……。

「目ぇちょっと腫れちゃったなぁ」

明日になったら直ると思うけど。


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