君、想う刻
「………朱音が高校生になってるなんて」
制服姿を見て感動しているパパ
「………分かったから早く行こう
遅れちゃう」
まさか制服を見ただけで感動されるとは……
恥ずかしい
家から学校までは近いから歩いていく
4月だというのに……もう桜が散っている
「おはよう朱音」
校庭の前に廣瀬がいた
「おはよう……」
「おはよう優くん!!
もしかして朱音を待ってたり」
「今日、入学式が終わったら朱音をお借りします」
嘘臭い笑顔
でもその笑顔が嫌にイキイキしていた