君、想う刻
「校長に聞いたから」
「な〜んだ、バレた?
でも朱音に無理矢理ここに入学させたのは僕だ」
「それは違うから
入学するのを最終的に決めたのは私だから!!
廣瀬がそんなこと思わなくていいから」
廣瀬は何故か拗ねる
「少しは僕の気持ちを察してよ
朱音を守りたいし
何かを朱音の役に立ちたい」
「十分役に立ってるよ
学費も来月から自分で払う」
「無理だよ」
廣瀬は満面の笑みを浮かべる
「3年分払ったから」
「3年?!」
………学費に制服代
私、廣瀬に一体いくら借りてるの?!
「そんな落ち込まなくても
結婚すれば返さなくてもいいんだから」
いつもの嘘くさい笑顔
「そうだね」
いつもなら返事をしない私に廣瀬は驚いていた