君、想う刻
5
「楽しみだね〜海♪」
おっとりした葵が珍しくハイテンション
「知らなかった葵が海好きなんて」
「そう?海育ちだから海は大好き!!
あと楽しみのはもう一つ」
葵がにっこり笑顔
「朱音が優さまにいつ告白するのか楽しみ〜♪」
「はぁ〜?」
葵があり得ないことを言う
「何〜その顔優さまはモテるよ」
「知ってる」
一瞬葵は分かってるんだと顔をした
「ほら」
私が指を差した方を見ると葵は見た
廣瀬は多分同級生の女の子と仲良く話してる
一応公の前だからか女の子には耳に何か話しかけてるぽいっ
「確かに廣瀬はモテるね」
「………モテるね〜」
幸い廣瀬はこっちに気付いていない
別に……怒ってないし
廣瀬が誰と付き合おうと私には関係ないし
「………海楽しみだね」
やや遠慮がちに言う葵