君、想う刻
「なんか……怒ってない?」
バイト終わりに廣瀬に言われた
「別に怒ってないよ」
「ならいいんだけど……」
廣瀬に誘われて近くのファミレスに寄る
廣瀬は相変わらずコーヒー
私は……少し頑張ってキャラメルオーレ
「朱音がコーヒー飲める日が近そうだね」
「廣瀬みたいにブラックは多分近くない」
学校で見たせいか少し廣瀬にキツくなる
「ねぇ……やっぱり怒ってる……よね?」
苦笑混じりに聞く
「怒ってないけど……」
言うの?なんかヤキモチ妬いてるみたいじゃない?
「な〜に?」
言ってみよう……なか
「……昼休みにイチャついた人は誰?」
別に恥ずかしいことを聞いたわけではないのに
廣瀬の顔を見ずデーブルを見ながら聞いた
「………昼休みは、日野<ヒノ>家の令嬢と話をしてた」
廣瀬が気まずそうに話す
「あの場面を見たよな―」
廣瀬が小さい独り言を言う
「言い訳に聞こえるかも知れないけど
好きなのは朱音だけだから
本当にっ!朱音が嫌だったらもう他の女とは話さない」