君、想う刻
「朱音……何かあったの?」
寝ているときに葵が小さく聞いてくる
「葵……私、廣瀬に告白出来ない」
「なんで?」
「廣瀬ね季山エリカと婚約するみたいなの
私は廣瀬の会社に雇われてるし……
私が廣瀬と結婚しても廣瀬の会社には何のメリットもないの
でも……
季山エリカと結婚したら廣瀬の会社は凄くメリットがあるの
それを考えたら……
私、廣瀬に告白出来なかった」
「そっか……」
てっきり葵は私に「そんなことない」って励ましてくれると思ったのに