君、想う刻
「いいのかよ」
話を終えたばかりの優に聞く
「いいんだ……片思いがちょうど辛くなりかけたし
初恋が実らないなら政略結婚とかが普通でしょ」
隼人は優がこんなに切ない顔を見たのは初めてだ
でも……
「何も今すぐにお見合いしなくても」
「今しなきゃ僕はいつまでも朱音を忘れらない
もう朱音を想うのは疲れたんだ」
優がいつものように笑おうとしたけど……
「それに季山メーカーとくっつけば廣瀬は得をする」
ふいに優の顔がニヤリと笑う
「あと1回告白したら…
季山メーカーと正式に婚約までしようと……ね」
なんだよ、優はまだ朱音ちゃんを諦めてないじゃん