君、想う刻
「お待たせ」
廣瀬が来た
急いで来てくれたんだ……
喜びそうになる
慌てて真顔になるけど廣瀬がこっちを見るから下を向く
「朱音……こんど季山エリカさんと婚約パーティーがあるんだ
来てね」
聞きたくない言葉に私は顔を上げない
もう婚約パーティーまで決まってるのっ?!
「季山エリカのことを好きかって聞いたけど……
僕は朱音しか見てなかったから他の誰かと婚約しても同じなんだ
…………ごめんしつこくて」
ようやく廣瀬の顔を見る
言うから多分これが最後のチャンスなんだろうけど……