クルイヤ
一
眼を開いたら真っ暗であった。夜中に目を覚ますなど珍しいな。やれ、変な時間に起きてしまったと思い眼を閉じた。
…はて、おかしいな。俺は左手に何かを握っているぞ…。固い物だ、金属質の固い感触が手に伝わっている。手に完全には納まっていない、ある程度の長さがある。右手でそろりと触れてみる。何やら厚みのない、先の尖った板が付いている。 …そうだ、明かりを付けよう。そうしてこの私の手に握られている得体の知れないモノを見てやればいい。
思い立って身体を起こした。…私はどろりとした悪意が爪先から脳の深い深いところまで染みていくのを感じた。…なぜ起き上がれないのか。
目を覚ましてスグには気づけなかったのだが、私の身体は何か袋の様なものに包まれていた。
アハ、アハ、おかしいや、きっと夢を見ているのだ。そうでなければこんなにおかしい夜はないぞ、アハ、アハ。
しかし、何かに包まれる息苦しさと、相変わらず左手に握られた何かの嫌らしいまでの現実感がこれが夢ではないことを容赦なく伝えてくる。
…はて、おかしいな。俺は左手に何かを握っているぞ…。固い物だ、金属質の固い感触が手に伝わっている。手に完全には納まっていない、ある程度の長さがある。右手でそろりと触れてみる。何やら厚みのない、先の尖った板が付いている。 …そうだ、明かりを付けよう。そうしてこの私の手に握られている得体の知れないモノを見てやればいい。
思い立って身体を起こした。…私はどろりとした悪意が爪先から脳の深い深いところまで染みていくのを感じた。…なぜ起き上がれないのか。
目を覚ましてスグには気づけなかったのだが、私の身体は何か袋の様なものに包まれていた。
アハ、アハ、おかしいや、きっと夢を見ているのだ。そうでなければこんなにおかしい夜はないぞ、アハ、アハ。
しかし、何かに包まれる息苦しさと、相変わらず左手に握られた何かの嫌らしいまでの現実感がこれが夢ではないことを容赦なく伝えてくる。