クルイヤ
 馬鹿馬鹿しいことを云う奴だ。私は…
 私は、誰だ…。
 そうか、私は本当に狂ってしまったのだ。狂いだ…、狂いなのだ…。

きっと本当にオカシクなって、殺人なんぞをして死刑になるはずが、怪しげな研究団体なんぞに買われ、得体の知れない気味の悪い怪実験の材料にされているのだな。記憶がないのは怪しげな薬をして綺麗サッパリ消してしまったに違いない。

 「貴方は自分が何物なのかを思い出せていないのですね」

 自分達で記憶ん消しておいて何を言っているんだ。さしずめこいつは研究員で、毎日の様にこの部屋にやってきて私を観察しては記録をとっているのだな。
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