最高のうた
―ピピピピッ
快晴の空が広がる朝だった。
目覚まし時計を見ると、7時半を過ぎている。
「夢かー」
そんなことを呟いてベッドから起き上がった。
制服に着替えて朝食を済ませ、学校へ向かった。
「由希おはよう!」
「おはよー!」
雑談の声や携帯の音楽でにぎやかな教室の中、今日の夢に出てきた隼人を探す。
ポン、と誰かに頭を叩かれた。
振り向くと、隼人が笑って私を見ていた。
「何キョロキョロしてんだよ。俺はここだっつーの!」
夢に出てきた隼人と全然違って、いつものかっこよくて優しい顔の隼人がいる。
私は夢のときのように顔を赤くしてしまった。
「別に隼人なんか探してないから!」
いつものような朝だけど、隼人で始まった日はいい一日だろうな、なんて思っていた。