愛傷─幼なじみとの恋─
「綾どこ行きたい?綾の行きたい所連れてってやる……」

「どこでも…ッいい。」

────────………その後は雄と町をフラフラ歩いた。

…雄は携帯に彼女さんからメールや電話が来ても絶対に見ることはなかった。

あたしはこの時間が楽しくて仕方なかった。

雄とこのままずっと居たい…と思ってしまう。

でも……あたしは雄の彼女じゃない。

この時間は…長くは続かないんだ。

「じゃあ……またね!!」

「じゃあな!!」

手を伸ばしても雄には届かなくて。

近いのに遠くって……。

もう嫌…って思うとあたしに手を差し伸ばす。

「好き」の一言が言えなくて……。

あたしは悲しくなる。

……あたしの涙が静かに流れていった。


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