愛傷─幼なじみとの恋─

彼女さんの目の前に立った。

座り込んでいた彼女さんはあたしを見上げ、あたしは彼女さんを見下ろす形になった。

「何?」

シレっと言う彼女さんにもっとイライラが増す。

「貴女がフラれたのはあたしのせいじゃない。貴女に否があったんじゃないの?勝手に押し付けて、八つ当たりしないでよ…」

冷たいあたし達の視線は絡み合ったまま。

沈黙が続いた。

「さっさと帰れば?雄も迷惑してるし。」

あたしの二言目で彼女さんは立ち上がって何も言わずに歩き出した。

「……綾?」

横から声をかけられて今の現状に気が付く。

「あ…あたし、すんごい事しちゃった……。」

「あんな綾、初めて見た。綾って静かだから……人見知りだし…。」

そりゃあ、人見知りだけど…。

「ムカツクじゃん!!関係ないあたしを巻き込んで!!」

思い出すだけでもムカツク。

雄もよくあの子と付き合えてたな、って尊敬する。

顔はすっごい可愛かったよ!??でも…あたしはあの子と仲良くできないタイプかな……。