愛傷─幼なじみとの恋─
「な~に一人でニヤけてんの?」

窓の外から声がして…………。

「……雄?」

そう言いながら窓に近寄るとベランダには雄がいた。

「またベランダから伝ってきたの?危ないって言ったじゃん!!」

あたしの家と雄の家はベランダが隣合わせで、伝ってこれるような構造になってる。

「どーせ、好きな奴の事でも考えて一人でニヤけてたんだろ?」

「ち!!違うもん!!しかもニヤけてないし!」

「友達」のあたしが言う。

あたしと雄は友達。

それ以上距離が縮まることはない。

「てか!勝手に人の家に入らないでよ!ある意味犯罪じゃん…」

半ばキレぎみで言っても上から目線で返してくる。

「綾の母さんに許可貰ったし♪」

………………得意げに言ってきて。

「でもここはあたしの部屋なの!早く出てってよ!!」

あたしは枕など近くにあったものを雄に投げた。

「わかったよッ!投げるなって!!」

雄は逃げるようにあたしの部屋を後にした。


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