愛傷─幼なじみとの恋─

───３

ピピピピッ
ピピピピッ………

目覚ましの鳴るあたしの部屋は朝日に染められ鮮やかなオレンジ色になっている。

「綾～起きなさーい!!」

１階からお母さんの大きな声があたしの耳に届く。

「もう起きてま～す!!」

すぐに制服に着替えて１階に急いだ。

今日から雄が迎えにくる……。

雄が来る前にはちゃんと準備終わっとかなきゃ。

「綾おはよ♪」

「雄!??」

リビングのソファーにはなぜか雄が座っている。

「綾、ご飯はどうするの??」

「いらない!!」

あたしは洗面所まで行き、顔を洗って歯磨きをしてからまたリビングに戻った。

「じゃあいってきます!!」

「はぁい!雄一君も気を付けてね!」

雄はお母さんに手を振っていた。

なんか玄関をでるとさっきの慌ただしかった空気が無かったかのようにあたしと雄は静かに歩いていく。

そういえば、あたしの学校と雄の学校って近いんだよね～。

でも雄は時間大丈夫なのかな…。

「綾?どうした?」

「へ!!?何でもないよ!!」