愛傷─幼なじみとの恋─
「ルージュのライブの話!ホント!??」

あたしの部屋にまたまた上がり込んでくる。

あたしは何も言ってない…。

「ちょっと!梨華!!」

……ツーツー。

もう電話は切れていた。

「綾、行くんだよな?」

雄の言葉で我に帰る。

「ライブ??」

「しかねーし。」

……一緒に行きたいよ、でも。

「…………な、何言ってんの?ルージュだよ!??行くに決まってんじゃん!!」

あたしの笑顔は作り笑い。

「よかった!!じゃあまたメールする!!」

ベランダに出て帰っていく雄を見ている事しかできない。

…あたしがどんなに雄を思っても雄があたしを見る事なんてない。

絶対縮まらない距離があって今のあたし達がいるんだ。

友達だもん。

一緒にライブ行くだけだし、、、。

友達としてだから……。

だから…少しだけでもいい。

雄の近くにいさせて?

友達として…たったそれだけの事。

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