TOXIC ―不適合な奴等―
 珈琲を啜りながら応接用のソファに腰を下ろす。
 少し埃が舞い上がったが、気にした様子は無い。

 彼はブラックを好む。
 余計な物を加えては、風味が損なわれるからだ。


「うへぇ~……染みるぅ~」


 オヤジ臭い声を上げ凭れ掛かる。
 思いの他深く沈んで、ズルッと体勢を崩した。


「ぅおっと!」


 カップが傾き零しそうになるが、ギリギリセーフ。
 ずりずりと体勢を立て直して、嘆息する。




 こうやってハメネイの一日が始まる。

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