TOXIC ―不適合な奴等―
「ほいっとおまち♪」


 煙草一本吸い終わらない内に、売り台に炒飯だろう皿とスープにレンゲが並べられた。


「おおっ、いつもながら早いねぇ」


「旦那待たせるわけにゃぁいかねぇんで」


「いい心掛けだ」


 へへっと笑う店主を放ってサングラスを外し、煙草を消して食べ始める。
 お冷やを一口、それから口を開く。


「なんか聞いてるか」


「そうっスなぁ…」


 腕を組み思い出すように話始める。

 2ブロック先の肉屋、バーナムの所の末っ子が結婚する事。

 カンパニーの美人受付穣アイニスが、やっとダメ男と別れた事。

 だいぶ離れた北西の隣町コートリバーが、地竜の類に悩まされてる事。

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