TOXIC ―不適合な奴等―
 屋台村を離れたハメネイは、ダラダラと紫煙を吐きながら、港近くに広がる歓楽街へ向かった。

 街をぶらついては馴染みの奴等に、話を聞いたり顔をみて廻ったりするのが、彼の日課になっている。

 特にこれといった目的は無いが、ただ事務所で、何時来るとも知れない依頼人を待ってダレているよりはマシだろう。

 古い映画館でB級を観たり、オープンカフェで珈琲を飲んだり、雀荘に顔を出したりする。


 帳(トバリ)に包まれる頃、薄暗く細い路地の奥にある、小さな骨董屋に入った。

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