TOXIC ―不適合な奴等―
 その足で行き付けの酒場へ向かう。
 一日の締めはやはり酒だ。

 港側西の二番街、その路地裏奥にある酒場は、カンパニー関係者も良く来る街の男共の憩いの場だ。

 『ヴェノス』
 翼龍の一種の名が付いた酒場は、西部劇にでも出て来そうな古めかしい外観をしている。

 店の名の由来は誰も知らないが、ここの酒が旨いのは周知の事実だ。

 店に入ると、既にお祭り騒ぎの賑わいっぷりだった。
 軽く笑みが漏れる。

 カウンターの奥から三つ目が、ハメネイの指定席だ。

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