TOXIC ―不適合な奴等―
 どちらかと言えば黄色人種に近い彼が、白い肌と髪の色、暗青色の眼をしているのは彼が、先天性色素欠貧症(アルビノ)だからである。

 完全に色素が無い訳ではないらしく、中途半端に暗灰の髪なのだ。

 席を返してもらい腰を下ろす。カーツウェルは隣りに座った。
 何が悲しくてこの男と酒を飲まなくてはいけないのか。
 思わず溜息が漏れる。


「ドゥエイク、バーボン」


 ドゥエイクと呼ばれた店主が頷く。
 三十代後半程のドゥエイクは、店に合わないバーテンのような格好をした無口な店主だ。

 とりあえず煙草に火を着けて、一息ついた。

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