TOXIC ―不適合な奴等―
 今一つ煮え切らない物言いに、首を捻る。


「なんだそりゃ」


「だって、フード取らないから……感じだけなんだもん」


 フードを取らない?
 聞くからに怪し気なのだが、そんな者をユエルが事務所に上げるようには思えない。


「なんかあるのか?」


「あっうん。あの人……調律者だね」


「はい?」


 聞き返しても答えは変わらない。
 これは面倒事の臭いがする。


「もひとつ言うと、たぶん『異型』かな…」


「異型だぁ!?」


 思わず間の抜けた声を上げ、煙草を落としそうになった。

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