TOXIC ―不適合な奴等―
 それは見事な異型だった。


 アイスグリーンのボブヘアーに、唐棣(ハネズ)色の淡いピンクの眼、耳は猫のそれのようにぴんと立ち、尻尾が宙で遊ぶ。
 少し俯き加減の少女はユエルの読み通り、十代半ば程。

 まさに猫耳娘だった。


「……何か?」


 キッとこちらを強い眼で見る。
 少し呆けていたハメネイだが、頭をガシガシ掻いて戻る。


「いや、見事だと思ってねぇ。まぁ気にしないで、どうぞ」


 ソファに座るよう促し、コートを預かってポールハンガーに掛け、向かいのソファに腰を下ろす。

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