TOXIC ―不適合な奴等―
「……まぁいいだろ。引き受けましょ、その依頼」


「本当っ!!」


 ぱぁっと、フィートウの顔が明るくなり耳を立て、尻尾がぴんと張った。

 頭をガシガシ掻く。


「でもまぁなんだ、聞くか分からんから、そん時は諦めるんだな」


「…聞く?」


「あ~こっちの話」


 煙草を灰皿に押し付け、お茶を飲む。

 ポシェットからお金を出そうとするのを見て、


「てぇわけで、依頼料は後払いでいい」


「えっ!? でも引き受けてくれるんでしょ?」


「まぁそうだが、明後日までだろ? 分からんからなぁ」


 頭を掻いて言う。
 おまけだぞ、と付け足して。


「…ありがとう。見た目よりいい人なんだ?」


 そう言って笑うフィートウは、幼さの中に、淋しさを写していた。

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