TOXIC ―不適合な奴等―
 …………
 反応は無い。
 今度は窓を開けてもう少し大きな声を出し、呼び鈴も押したが……


「…………」


 やはし無反応。
 頭をガシガシ掻いてもう一度呼ぶべきか、少し離れた別の店に行くか悩む。


「………死んだかな」


「勝手に婆ちゃん殺さないでよね」


 急に店の中から声がした。
 思いの他若い声。
 見ると十代半ば程の、白いワンピースを着た、浮くように白い少女が、不機嫌な顔で奥から顔を出した。

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