BLACK×HEAVEN
「何故ここに弾が落ちているのかはわかりませんが、とにかくこれがおもちゃじゃないという事はわかっていただけたかと思います」



さきほどまでいきり立っていた男性は、首がもげるんやないかと思うくらいコクコクとうなずいた。



「あなた、死にたいんですか?いい加減にしていただきたいんですがね」



リーダーは頭の後ろに目でもついているかのように、振り返らずに言った。



リーダーに『あなた』と呼ばれたのは、初老の男性ではなく、カウンターの内側であの赤いボタンを押そうとしている男。



さっきのヤツとは違う男。



この銀行では、一体どんなマニュアルがあるんか知りたくなった。



強盗が入ってきたらバレても懲りずにボタンを押せ、とか?
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