BLACK×HEAVEN
「ありがとうね」



ばあちゃんは間違いなくあたしに言った。



だって、しっかり目合ってるし。



「えーっと…ばあちゃん、あたしが見えてるん?」



ばあちゃんは、元々しわくちゃの顔をさらにしわくちゃにさせて笑った。



「見えてるよ。さっきからずっといただろ?あたしの隣に座ってた」



じゃあ、ばあちゃんが電光掲示板を見てると思った時、ホンマはやっぱりあたしを見てたんかもしれへんな。



「うん」


「あたしは、昔からあんたみたいなのが見えるんじゃよ」


「へぇー、大変なんやな」



知らんけど。



「大変な時もあるけど、今日みたいに得する事だってある」


「得?」


「助けてくれたあんたに、直接礼が言えた」



めっちゃ嬉しかった。
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