BLACK×HEAVEN
「礼はいらんよ。これがあたしの仕事やから」


「仕事?」


「まぁ、いろいろあるんよ」


「そうかい」



ばあちゃんの顔はまたしわくちゃになった。



ばあちゃんとの会話を終えると、さっきの大学生が呼んできた警察官がわらわらと銀行内に入ってきた。



予想以上に人数が多い。



警察官がきたなら、あたしがここにいる理由はもうない。



「ばあちゃん、あたしもう行くわ」



ばあちゃんはゆらりと手を振った。



あたしももちろん振り返す。
< 108 / 256 >

この作品をシェア

pagetop