BLACK×HEAVEN
「まもなく、電車が到着致します。白線の内側までお下がりください」



機械的な女の声が聞こえる。



あまりにも機械的すぎて、それが逆に心地よかった。



電車がだんだん近づいてくる。


周りにはスーツ着たおっさんやら、スーパーのビニール袋を腕にぶら下げたおばはんやら、ヘッドホンからシャカシャカ音まき散らしてる兄ちゃんやら、うるさい子供をほったらかしにしてる親がいっぱいおる。



おっさん、ネクタイ曲がってるし、汗臭い。



おばはん、エコバッグを持ち歩け。



兄ちゃん、ロリアイドルの曲聴いてんのバレてるで。



子供、じっとせぇ。



親、注意せぇ。



いつもは気にならん事が今日はやたら気になる。



何でかなぁ…



どうせもうすぐ死ぬのに…
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