BLACK×HEAVEN
「今を悔やむより、これからどうしていくかを考える方が先なんと違う?


あんたの大切な人は生きてるんやろ?


命がある限り、何でも出来るんやで。


リョウジさんが早く目覚ますように、リュウと一緒に祈ってあげて」



あたしは女の肩に手を置いた。



「あたしはもう死んでるから、あんたみたいにやり直しはきかへん。


だから、出来ればあんたにはこれから後悔しんように生きてほしい。


あたしみたいにならんように…


これからもしあんたに何かあったら、あたしが助けに行くから。


だから、もう自分の体に戻ろ。


な?」



女は泣き顔のままあたしの顔を見た。



その目に、もう闇はなかった。
< 216 / 256 >

この作品をシェア

pagetop