BLACK×HEAVEN
「お前ら、今の声聞こえたか?」



今度はエンマの声。



いつの間にかカズサも仕事人にされるんちゃうやろか。



そう思うほど自然に、エンマの言葉の中にカズサも含まれていた。



「ヒメコ?」



聞きはしたけど、ほぼ確信している。



あの声を間違うはずがない。



「そうだ。こうやって今話してる時間もない。何があったか説明してる時間もない。飛ばすぞ」



あたしとカズサは返事すらも省いた。



すぐに目をつむる。



いつものように、温かいものが全身を包み込んだ。
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