BLACK×HEAVEN
《あたしが誰かなんて今説明してるヒマはないねん。あんたは、今どこにいる?》


《家の中》


《わかった。すぐ助けに行くから》



「エンマ!家の中に子供がおる!火が消えるん待ってたら間に合わん!先に助けに行く」



リュウとの会話を中断し、今度はエンマに叫んだ。



大声を出さんでも聞こえるってわかってたけど、そうしぃひんかったら体中の痛みや息苦しさに負けてしまいそうやった。



「待て!今この中に入ったら…お前死ぬかもしれねぇぞ」


「わかってる。でも、あたしはやっぱりリュウを助けに行く」



死ぬかもしれんのは中にいるリュウも一緒。



今行かんかったら絶対後悔する。



あたしは…



もう二度と後悔したくないから。
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