BLACK×HEAVEN
「カズサ!何とかヒメコを探して!ひょっとしたら、その辺にいるかもしれんから」



離れたところで呆然としているカズサに叫んだ。



カズサに何かを頼めば、あたしと一緒にきぃひんと思ったから。



あたしが中に入ると言えば、きっとカズサもついてくる。



そんな事は絶対にさせたくなかった。



危険な目に合うんは、あたしだけでいい。



「わかった」



カズサは我に返り、返事をしてくれた。



そして、フラフラと歩き出した。



カズサのその様子も心配ではあったけど、とりあえず命の危険はないと判断した。



「ルイ!入るな!」



エンマがしつこく引き止めた。



あたしは、空に向かってニッと笑った。



ピースサインも忘れずに。



「いってきます」



あたしは、燃え盛る炎の中に何の躊躇もなく入った。
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