BLACK×HEAVEN
「カズサ、ごめん。まだやる事があんねん」



ホンマはもうちょっとカズサに抱きつかれていたかったけど、その気持ちを押し殺し、カズサの体を自分の体から離した。



「やる事って…?」


「まぁ、いいから見てて」



カズサは半泣きで訴えてきた。



やらなくていい―



「お前、火消すつもりじゃねぇだろうな!


さっきのリュウとの会話だけでも相当な体力使ってるはずだ!


それに、3人の人間を一遍に動かしてるんだぞ!


その上この化け物みたいな火を消すなんて、お前死ぬ気か!


中にはもう誰もいねぇんだから消す意味なんてないんだぞ!」



エンマが怒鳴った。



声が割れてる。



「意味はある。あんたがやれってゆうた事やろ。最後までちゃんとやるから」



今までにやったことのないことをやってみるつもりやった。



自分の力を信じる。



あたしになら出来る。



あたしにしか出来ひん。



「来い…来い…」



風を動かせるなら出来るはず。



「動け…動け…」



神様。



めんどくさがらずにあたしに力をください。



早く…



早く…



もう…



意識がもたへん…



倒れそう…
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