BLACK×HEAVEN
耳元でエンマの声が聞こえた。



あたしはエンマに抱きかかえられてるみたい。



お姫様抱っこ。



「なんで…あんたが…」



エンマは優しく微笑んだ。



「お前を迎えにきた」


「迎え…?」



エンマはうなずき、なぜか号泣しているカズサを見た。



「カズサ、コイツを手伝ってくれてありがとな」



カズサは首をブンブンと横に振った。



首、取れるて。



「じゃあ、コイツ連れてくから」



エンマはあたしを抱きかかえまま、その場を立ち去ろうとくるりと方向を変えた。



「待って」



カズサがそう言ってエンマの前に回り込んだ。



「ルイ、ありがとう。あたし、ルイの事大好きだから…」



礼を言いたいのはあたしの方やのに、のどが張り付いていて声を出せへん。



仕方なくうなずいた。



ちょっとでも動くと体中に激痛が走る。



カズサの涙目の笑顔を見た瞬間、あたしは気を失った。
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