BLACK×HEAVEN
しばらく動き回ったメガネは、カバンを大事そうに両手でかかえて上を向いた。



「ありがとう」



ドキッとした。



まるで見当違いの方向を向いてたけど、あたしに言ってくれた言葉なんやってわかったから。



「どういたしまして」



あたしが言うと、聞こえてへんはずやのにメガネはビックリした顔をした。



でも、それを大して気にすることもなく、メガネは走り去った。
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