BLACK×HEAVEN
あたしの体を通り抜けている自分の手を見たマリアの目からは、滝のように涙が溢れている。



「なんで…自殺なんて…」



ナナコが、倒れそうなマリアの体を支えながら言った。



しっかりとマリアを支えられているナナコが、羨ましくて仕方なかった。



「すごい大事な人に…


裏切られて…。


もうあたしなんて生きててもしょうがないって…


思ったから…。


あたしが存在する事にもう意味がないって…


思ったから…」



自分が言った言葉が間違ってるってもうわかってる。



だって…



あたしが存在する意味は、ここにあったんやもん…



あたしがやったのは、裏切り。



だから、みんなに申し訳なくて、みんなの目を見ることが出来ひんかった。
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