雑草だから笑う。
こんな生活をして8ヶ月が経とうとする頃、父の退院が決まった。



正直、嬉しくなかった。


うちには祖母がいるが、父の実の母であるにもかかわらず今まで何の協力もしてこなかった。

それどころか、自殺未遂をした父を恥ずかしいとしか思っていなかった。



私が物心ついた頃から、母は夜遅くまで働いていた。
祖母は旅行だ、夜遊びだと出歩いていた。

祖父は派手でヒステリックな祖母に何も言えず、ただ黙々と仕事をしていた。
きっと家の中に安らぎなんてなかっただろう。

そして、母と同じように祖父も夜遅くまで仕事をしていた。

それが祟ったのか私が小学5年のときに心筋梗塞で突然亡くなった。



兄と私はもう亡くなったひいおばあちゃんと3人でご飯を食べていた。

ひいおばあちゃんは後妻で入った人で私達とは血が繋がっていなかったが優しかった。


毎日私達の相手をしてくれ、ご飯を作ってくれた。


兄と私にとっては育ての親だった。









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