雑草だから笑う。
父は体が治るにつれ、またわがままが始まっていた。


事故後は「これからは頑張る」なんて言っていたのに、いつの間にか自分だけが被害者といわんばかりのわがままぶりだった。


父も祖母も、母と私がどれだけ大変な生活をしているかなんて考えてもいなかっただろう。




父が退院する頃、私の体重は静岡にいたときと比べて10キロ以上減っていた。




朝方、母よりちょっと早めに仕事が終わり、家に帰って寝ようとしてもなかなか眠れない日々が続いた。

そんな私を心配して母が時々部屋に様子を見に来てくれていた。

しかし、そっと扉を開けるその音にさえ敏感に反応し、目が覚めてしまっていた。



目を閉じる前、毎回思っていた。





「次に目を開けたら今のこの状況は全て夢だったらいいのに・・・・」と。




それが無理ならこのまま一生目を覚まさない方がいいと願った。






しかし、私の希望は叶うことなく確実に毎日が過ぎていった。













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