雑草だから笑う。
それから数ヵ月後の二〇〇四年四月前半。


店を閉店。

私は実質的な倒産だと思ってた。

閉店する前に従業員は全て辞めてしまっていたので、閉店後は母と私二人だけで毎日店の片付けをしていた。

私はそれが嫌でたまらなかった。

と、いうのも、閉店をするという話を母と私が父から聞かされたのは、閉店する一週間前だったから。

家族での話し合いなんて全くなかった。
なのに後片付けは私達2人。



何の為にここにいるのか、何をする為に生まれてきたのか分からなかった。



父は家族で話し合いをしないのに「高梨」という自分の幼馴染とはしょっちゅうコソコソと話し合いをしていた。


店の移転もこの高梨に持ちかけられてしたことだった。


信じられない話だが、父が移転をすると決めたとき、母にその移転の話を父がしたのは、移転先に店を建てている最中だった。


父は自分が仕事をしないので、移転の話を母が事前に知ったら、絶対に反対するのは目に見えている。

だからギリギリまで教えず、全て準備が調って母がやらざるをえない状況にした上で話したに違いない。



娘の私にでさえ移転の話をしたのは店がほとんど出来上がった頃だから。





高梨という男は一見頼りになりそうな感じがするが私は昔から態度がでかくて大嫌いだった。


自分の意見が全て正しくて自分の意見だけを押し通すタイプ。

だから自分とちょっと意見の違うことを言う人がいたらもうダメ。

その人の悪口しか言わなくなる。




父は一方的な高梨にズルズル引っ張られていた。



決して父が優しいから高梨に何も言わなかったのではない。

父は気が弱いから高梨に何も言えなかった。





特にあの頃の父は。





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