雑草だから笑う。
あった。
一度目、二度目の未遂のときと同じように机の上には遺書があった。
母宛、兄宛、私宛・・・・など何通かあった。
父はいなかった。
今日、店の話し合いっていうのは嘘だった。
一旦家に戻り兄と祖母を起こして事情を説明する。
そして、父の兄弟にも連絡した。
その後すぐに兄と私はその辺を探しに車で出掛けた。
事情を聞いてその辺を探してみると言ってくれた彼から電話が来た。
近くの海にはそれらしい車がなかったという。
私達は隣町の港まで行ってみたが、すでに夜十一時を過ぎていたので暗くてよく分からない。
とりあえず一度家へ帰ることにした。
私達は必死だった。
なのに祖母は自分の娘達が来る前に信じられないことを口にした。
『家は使い勝手が悪いから葬式は斎場でやろう』
・・・・・嘘でしょう。
考えられない。
亡くなったかなんて分からないのに。
こっちは必死で探しているのに。
父にとってこの人が実の母親だと思うと何だか父がかわいそうになった。
叔父達がやってきた。と、同時に祖母は泣き崩れる。
・・・・どこまで演技すれば気が済むのだろう。数十分前まであんなこと言っていたのに。
数分後、なぜか高梨も現れる。・・・叔母さんが連絡したらしかった。
私はまだ父がどうなったか分からないんだから身内だけに留めておきたかったのに。
夕方からいなかったのでもしかしたら遠くに行っている可能性もあるからと深夜十二時過ぎ失踪届けを出す。
高梨はしばらくして帰っていった。
また朝に来るという。
私達は夜中だし、どこへ行ったか検討がつかないので、明るくなったらまた探しにいこうということになった。
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