precious one
「そういえば愛花、体育祭のあといなかったよね。渋谷といたの?」
「えっ、あー、うん」
「どっちが告ったの?」
「あ、あたし?」
なぜか疑問系になっちゃったけど。
利香と未矢は、嬉しそうに笑ってくれた。
「良かったねー、愛花。
渋谷のこと、ずっと好きだったもんね」
「ちょっ、未矢!」
あたしは急いで、未矢の口をふさいだ。
なんとなく、恥ずかしくて。
チラッと稔太を見ると、バッチリ目が合ってしまい。
あたしの顔は真っ赤になった。
「稔太、愛されてんじゃん」
赤くなったあたしを見て、筒本が稔太をからかうように言った。
「いいだろ?」
稔太は、ふふん、と笑いながら、筒本に返した。
それを見てあたしは、更に赤くなってしまった。