precious one
「ばーちゃん、ただいまー」
稔太に連れられて、家へと着いた。
初めて来る、稔太の家。
二人暮らしだから、小さな家だった。
「稔太、おかえり」
奥から現れたのは、優しそうなおばあちゃん。
笑った顔が、少し稔太に似てた。
「あら? そちらの方は?」
「ばーちゃん、この子が愛花だよ。俺の彼女」
稔太がそう言った時、おばあちゃんと目が合った。
あたしは慌ててお辞儀をした。
「あなたが愛花ちゃん? 稔太から話は聞いてるよ」
そう言っておばあちゃんは、あたしに優しく笑いかけた。
「まぁ、上がりなさい。奥でゆっくりお話しようか」