precious one
洗濯物を取り込んだ稔太も戻ってきて、
あたしたちはしばらく話してた。
すごく安心して、落ち着く空間だった。
陽が落ちてくると、おばあちゃんは夕飯を作ると言った。
「良かったら、愛花ちゃんも食べていって?」
そう言われて、あたしは素直に頷いた。
断る方が失礼だと思ったから。
おばあちゃんと稔太は、
きっとあたしを家族にしようとしてくれてる。
この二人には、家族が少なすぎる。
もっと愛してあげるべき二人なのに。
だからあたしが、一緒にいてあげたいと思った。
家族になろうと思ったの。