precious one


唇が離れると、一気に恥ずかしくなって。

稔太の手は、まだあたしの頬に添えられていて。

二人の距離も、僅かなもの。


「愛花、キス初めて?」


聞かれて、あたしはコクンと頷いた。

恥ずかしさでいっぱいだった。

付き合うこと自体、稔太が初めて。

キスも当然、初めて。


「可愛い」


そう言って、稔太はまた、触れるだけのキスをした。

それを合図に、ついばむようなキスを、何度も何度も繰り返した。


付き合って1ヶ月。

何か隙間のあったあたしたち。

その隙間が、少しずつ埋められていく。


言葉だけじゃなくて、体で稔太の愛を感じて。

あたしの愛も、稔太に伝わってるかな?


相手のために、何かをしてあげたいと思ったこと。

そんな恋、初めて。


神様。

これからもずっと、稔太のそばにいさせて下さい。




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