precious one
泣いている間に、バスがきた。
今回の研修会は、5つの学校が集まってやることになっている。
代表の生徒6人、先生2人。
全学校合わせると、40人の参加だ。
あたしたちの学校が、1番最後にバスに乗り込んだ。
車内をざっと見回すと、大半が女子生徒だった。
稔太と筒本と片瀬は、少し浮いているように見えた。
バスの席は、当たり前のように、あたしが稔太の隣。
通路を挟んで筒本と片瀬が座り、
あたしの後ろが利香と未矢だ。
バスに乗ってすぐに、稔太は眠りの態勢に入った。
「稔太、寝るの?」
目を閉じる稔太に問いかけると、目を閉じたまま答えた。
「今日から5日間、ばーちゃん一人にさせちゃうし、早起きして手伝いしてたんだよ。
だから眠いの。おやすみ」
そう言って、完璧睡眠の姿勢に入ってしまった。