precious one
3時間ほどで、目的地に着いた。
その間、稔太は1回も寝ることもなく。
あたしも寝ないで、ずっと稔太の体温を隣で感じてた。
稔太の向こうの筒本と片瀬をチラッと見た時、
頭を寄せ合って寝てたことに笑ってしまった。
稔太は不思議そうにあたしを見たけど、
そんな二人を見て、一緒に笑った。
目的地に着くと、大きな会議室みたいなところに全員集まった。
学校別に固まって座ると、順番に自己紹介をした。
「渋谷稔太です。よろしくお願いします」
稔太の番になった時、他校の女子が、少しざわつくのが分かった。
それがあたしは、なんだか嫌だった。