precious one


3時間ほどで、目的地に着いた。

その間、稔太は1回も寝ることもなく。

あたしも寝ないで、ずっと稔太の体温を隣で感じてた。


稔太の向こうの筒本と片瀬をチラッと見た時、

頭を寄せ合って寝てたことに笑ってしまった。

稔太は不思議そうにあたしを見たけど、

そんな二人を見て、一緒に笑った。



目的地に着くと、大きな会議室みたいなところに全員集まった。

学校別に固まって座ると、順番に自己紹介をした。


「渋谷稔太です。よろしくお願いします」


稔太の番になった時、他校の女子が、少しざわつくのが分かった。

それがあたしは、なんだか嫌だった。




< 51 / 61 >

この作品をシェア

pagetop