precious one
3人の中でも、1番背の高い女の子。
鈴村里世(スズムラリセ)というその子が、リーダー格らしかった。
とりあえずあたしは、3人に声をかけた。
「えっと…今日から5日間…よろしくね」
その子たちのかもし出す雰囲気が、なんだか怖かった。
端から見れば、あたしは完全に負けだろう。
あたしの声を聞いた3人の視線が、こっちを向いた。
睨みつけるような瞳が、あたしの背筋を凍らせた。
「別に、あんたらと仲良くする気ないんだけど?」
里世が、鋭い目のまま言った。
それを聞いたあたしたちは、固まるしかなく。
「よろしくとか言われてもね。
“はぁ?”って感じなんだけど」
そう言って里世は、他の2人を引き連れて、部屋を出て行った。